【宝塚記念】横山典 アクター復調へ
“歩くフォーム”チェック
変化が即、結果につながるとは限らない。それでも現状を打破するために何かを変える必要がある。横山典の起用にはゴールドアクター陣営のそんな思いがこもっているように見える。「調教や普段の馬の様子をずっと見ていた。それもあるポイントに気をつけて」。初コンビを組んだ天皇賞・春(7着)を敗れた後、百戦錬磨のベテランはアクターを見つめ続けた。
特に注視していたのは歩くフォーム。天才肌の鞍上にしか分からないであろう微妙な差を見逃さないようにした。「気になるところがあったからね。テキ(中川師)にも自分なりの意見を伝えた」。追い切り後は時間をかけて師と話し合う姿も。真剣にグランプリホースの復調へ取り組んだ。「ピッチャーのリリースポイント、ゴルフのボールを置く位置と同じで、小さな変化で劇的に結果が変わることがある。火曜朝、厩舎周りの運動を見ていたらずいぶん良くなったと思ったよ」
もがくアクターが見せた小さな変化。「後は当日の返し馬で変わっているかのお楽しみだな」と鞍上は笑う。努力が必ずしも結果につながらないのが勝負の世界。それでも横山典の表情が明るいなら期待は膨らむ。