ダービー2着スワーヴリチャード、M・デムーロと新コンビでアルゼンチン共和国杯へ
これから乗り込んでいきます
ダービー2着スワーヴリチャード(牡3=庄野)はM・デムーロと新コンビを結成してアルゼンチン共和国杯(11月5日、東京芝2500メートル)で始動することが発表された。
ダービー後は放牧を挟み、先月27日に栗東に帰厩。庄野師は「ダービー後の疲れがようやく抜けてきました。まだ緩さがあるので、これから乗り込んでいきます。ミルコにも調教で乗ってもらうと思う」と語った。
ミッキーロケット50秒9の1番時計/京都大賞典
【サウジアラビアRC】ダノンプレミアム 好調キープ
川田も納得のラスト11秒9
「サウジアラビアRC・G3」(7日、東京)
無傷2連勝でのタイトル奪取を狙う。ダノンプレミアムは4日、栗東CWで併せ馬。タングルウッド(2歳新馬)を1馬身追い掛けると、馬なりのまま併入し、5F67秒7-38秒2-11秒9をマークした。「いい意味で特に変わらない」。またがった川田は納得の様子。「東京への輸送も初めてになるし、どれだけ頑張ってくれるか」とデビュー戦同様のパフォーマンスを期待する。
その初陣は2着馬に4馬身差をつける楽勝だった。猿橋助手は「走りが柔らかい馬で期待していた。いい勝ち方で中身が良かった」と描いた通りの内容に満足げ。放牧を挟み、3カ月半ぶりとなる今回、「大きくなっている。長くいい脚が使えるタイプと思うし、スピードもある。距離短縮にも不安はない」と力を込めた。新馬戦Vの勢いそのままにディープインパクト産駒がエリート街道を突き進む。
【サウジアラビアRC】ステルヴィオ 万全仕上げ
無傷3連勝で重賞奪取だ
「サウジアラビアRC・G3」(7日、東京)
無傷3連勝での重賞初Vを目指すステルヴィオが4日、美浦Wで軽快な走りを披露。パートナーときっちり馬体を併せて、上々の仕上がりを伝えた。環境の変化にも問題なく対応。いい形でレースへ向かえそうだ。
1日終了時点で15勝を挙げ、今年の新種牡馬リーディングを独走しているロードカナロア。その父に産駒のJRA初勝利を贈った代表格ステルヴィオが、無傷3連勝での重賞奪取に挑む。新馬戦での好タイムVに続き、2戦目のコスモス賞をノーステッキで快勝。さらなる高みを目指し、万全の仕上げが施された。
注目の最終追い切りは美浦Wでの併せ馬。道中はレッドエレノア(3歳500万下)の2馬身後ろで完璧に折り合い、直線で馬体を併せてからエンジンを点火させる。一時は手応え劣勢に映ったが、そこから盛り返して併入でのフィニッシュ。6F82秒6-38秒8-12秒8を計時した。
動きを見届けた木村師はひと言、「よく頑張っている」。いつもは厳しめのジャッジをすることも多いトレーナーだが、この短めの言葉が、前走後の調整過程に狂いがないことを物語っていた。「中間に厩舎が(新しい場所に)移動したり季節が変わったり…。環境が変わるなかでも、馬には落ち着きがある」と期待の2歳馬をほめた。
東京での初陣Vから重馬場で行われた2戦目。異なる状況下で結果を出したものの、「前走は返し馬からノメっていた。理想は良馬場」と指揮官が望むように、本来の持ち味は軽い馬場でこそ生きる。東京の開幕週で重賞初Vを決め、次なる大舞台までノンストップで突き進む。
【サウジアラビアRC】追走併入のテンクウ
田辺はやや辛口も…全体的には合格点
「サウジアラビアRC・G3」(7日、東京)
2度目のチャレンジで重賞初Vを決める。テンクウの最終リハは4日、美浦Wで併せ馬。僚馬プリサイスエース(6歳1600万下)を4Fで3馬身追走。ラスト1Fで内から馬体を合わせて併入した。
4F56秒2-41秒3-12秒9の時計に、騎乗した田辺は「最後はもう少し、バキューンと来ると思ったけど」とやや辛口にジャッジしたが、「乗りやすくて良かった」と評価。最上級の賛辞こそなかったものの、全体的には合格点を与えた。
前走の新潟2歳Sでは、6番手からメンバー最速の上がり3F32秒6を駆使して3着。奥村武師が「位置取りの差が出た」と分析するように、2番手&逃げ馬が1、2着する展開。「それでもしまいはいい脚を使っていたね」とレース内容は評価した。
決して力負けではない。「新潟2歳Sより強いメンバーだけに、力関係がどう出るか」としながらも、「能力は高いと思う」と前を向く。まだ底を見せていない。“天空”の可能性は無限大だ。
ソウルスターリングvs歴戦のGI古馬、 毎日王冠で優位はどっちだ?
雨が降って馬場が渋るようなら桜花賞の時のように
今週末の10月8日、東京競馬場で行なわれるGII毎日王冠(芝1800m)は3歳以上による重賞競走。GI天皇賞・秋(10月29日/東京・芝2000m)を目指す馬たちの多くが前哨戦に使うレースであり、今年も多くの実績馬がエントリーしてきた。
GI馬だけでも今年のGI安田記念を勝ったサトノアラジン(牡6歳/池江泰寿厩舎)、今年のGIオークス馬ソウルスターリング(牝3歳/藤沢和雄厩舎)、昨年のGI日本ダービー馬マカヒキ(牡4歳/友道康夫厩舎)、昨年のGIドバイターフを勝ったリアルスティール(牡5歳/矢作芳人厩舎)、2014年GI日本ダービー馬ワンアンドオンリー(牡6歳/橋口慎介厩舎)と5頭。重賞勝ち馬8頭が揃う好メンバーとなった。
その中から今回は唯一の3歳牝馬ソウルスターリングにスポットを当てる。秋競馬には3歳牝馬限定のGI秋華賞(京都・芝2000m)もあるが、同馬はより強い相手が揃う毎日王冠→天皇賞・秋に矛先を向けてきた。古馬を相手に好勝負は可能なのだろうか。 ソウルスターリングは昨年、デビューから3連勝でGI阪神ジュベナイルフィリーズ(2016年12月11日/阪神・芝1600m)を勝利し、最優秀2歳牝馬に輝くと、今年はGIIIチューリップ賞(3月4日/阪神・芝1600m)で復帰。同レース快勝後のGI桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)では3着と敗れたが、GIオークス(5月21日/東京・芝2400m)を制し、3歳牝馬では最強と見られている存在だ。
1600mから2400mまでで勝ち鞍があり、レースではスッと好位につけて、勝負どころで瞬発力を発揮して抜け出すという極めて安定感のある走りを見せている。通算成績は6戦5勝で、唯一敗れた桜花賞は稍重馬場を気にして0秒1差の3着だった。東京の芝1800m戦はデビュー2戦目のアイビーSで勝利。同レースの2着馬はのちにGIIIアーリントンCを勝ち、GI皐月賞2着のペルシアンナイトと、破った相手も強かった。
さらに東京コースはオークスも含め2戦2勝と得意としている。そのうえ、今回は53kgで出走できるのも大きなポイントだ。今年の安田記念を勝ったサトノアラジンは58kgを背負い、その他GIの馬たちも57kg。実力馬同士で4~5kgの差は大きい。
過去30年でこのレースに出走した3歳馬は29頭。そのうち1988年オグリキャップ、2010年アリゼオ、2012年カレンブラックヒルの3頭が勝利している。決して勝率は高くないが、力のある馬なら克服できる条件だ。 3歳牝馬の出走は1999年スティンガーの1頭のみ。藤沢和雄厩舎の管理で、前年の最優秀2歳牝馬というのはソウルスターリングと同じだが、スティンガーの春は桜花賞12着、GII4歳牝馬特別1着、オークス4着という結果だった。当時の3歳牝馬は毎日王冠で54kgを背負っていたが、前走で宝塚記念を勝ったグラスワンダーや、キングヘイロー、メジロドーベルといった強豪が出走するなか、8番人気で勝ち馬から0秒2差の4着と健闘している。
そのスティンガーと比べると、ソウルスターリングが春に見せた走りは明らかに上だし、脚質の安定性や斤量の軽さなど好材料が多い。古馬勢に実績馬は多いが、ほとんどが休み明けで絶対的な存在はおらず、ソウルスターリングなら十分に勝ち負けできるだろう。今回は逃げ馬不在のためスローペースになりそうで、先行策から抜け出すいつもの競馬ができそうだ。開幕週の絶好の馬場で時計勝負になりそうなことも有利に働く。
唯一と言っていい不安材料は天候か。もし、雨が降って馬場が渋るようなら、桜花賞の時のように力を出し切れない可能性はある。今回、好勝負ができれば天皇賞・秋でも主役の一角に入ってきそうで、いい走りを期待したい