【クイーンS】ヴィクトリアM覇者アドマイヤリード
先行馬有利の開幕週にも「瞬発力はここでは抜けている」
【クイーンS(日曜=30日、札幌芝1800メートル)】札幌開幕週はGI牝馬がいきなり激突――今週末からスタートする札幌競馬の日曜メーンは秋をにらむ一線級牝馬が集うGIIIクイーンS。この一戦に今春のGIヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリードが参戦する。秋の牝馬戦線をけん引する可能性を秘めた中間の成長度、仕上がり具合、秋の目標などを須貝尚介調教師(51)に聞いた。
――昨秋から馬が変わったかのような快進撃でGIヴィクトリアマイルを制覇
須貝調教師:以前は東京へ輸送すると大幅に体重を減らしていたけど、前回は420キロ台をキープできていた。心身ともに成長したのが大きい。オークス(15着)以来のローズSこそ崩れた(7着)が、その後はずっと連対を外していない。強い負荷をかけても体重が減らなくなって中身が違ってきた。昨秋からの充実ぶりは本当にすごいね。
――始動戦でここを選んだ理由は
須貝調教師:これまでワンターンのマイル、1800メートルのレースを中心に使ってきたのでコーナー4つの1800メートルを試してみたかったというのもあるけど、輸送のない現地の滞在競馬は理想的だからね。今回のレースで秋のローテーションを含めて方向性も見えてくると思う。
――開幕週で直線の短いコース。追い込みタイプのリードには決していい条件ではないかも
須貝調教師:確かに開幕週は先行馬に有利だけど、この馬の瞬発力はここでは抜けていると思っている。ゴールドシップをはじめ、ステイゴールド産駒は洋芝の適性も高いとみているし、この馬にマイナスになる部分はない。
――中間の調整は
須貝調教師:放牧を挟んで今は438キロ。ふっくらと見せているね。函館の芝コースで3頭併せだった1週前追い切り(19日=5ハロン66・6―37・6―12・2秒)の動きも抜群で、手綱を取ったルメールも「ベリーベリーグッド」と言っていた。何の不安もなく送り出せる。
――レースへ向けて
須貝調教師:2走前の阪神牝馬S(2着)にしても道悪、大外枠でも上手に競馬をしたように器用さがあって馬場も不問だからね。この馬の瞬発力は相当なので次へ向けていい内容の競馬を見せてほしい。