【東西現場記者走る】阪神の鬼!シャケトラ、Vパターン
今回は条件が好転する!
とにかくキタサンブラック一色のサマーグランプリ。ただ、他に気になる馬も何頭かいる。そのの一頭がシャケトラ。CWで6ハロン80秒3をマークした14日の追い切りが圧巻で、担当の上村助手に感触を確認したかった。
「1週前はしっかり負荷をかける予定だったし、18日もCWで1ハロン13秒ペースで1周くらいびっしり乗った。もう今週は余力残しでいいでしょう。天皇賞・春は当週にきつくやりすぎたので、2走前までのパターンに戻します」
GI初挑戦の天皇賞・春(9着)は今までで一番攻められたが、デビュー以来最も軽い508キロの馬体。スタートで後手に回り、そこからポジションを取りにいった結果、引っ掛かってしまった。「あれだけ出遅れたのは誤算だった。体も思ったより減っていたし、そのあたりは幼さなのでしょう。まだ完成度では80%くらい。現状は自分のリズムで運んだ方がいいのかな」と振り返る。当時はデビューからわずか10カ月の身。キャリアの浅さが出たようだ。
ただ、今回は条件が好転する。2200メートルへの距離短縮はプラスで、阪神も3戦3勝だ。「阪神は得意そうだね。それにコーナリングが上手な馬でスピードが落ちないのが強み。勝負どころを余力を残して回れれば」。上村助手の言葉どおり、コーナーがタイトな中山内回りの日経賞を圧勝。直線が短く、各馬の仕掛けが早くなる阪神の内回りでも2戦2勝で、今回の舞台はぴったりだ。
あとは「先週までの阪神の芝は時計が速くて前が止まらないキタサン向きの馬場なので、雨でも降ってくれれば」。週間予報では、阪神競馬場がある宝塚市は水、木、日が雨模様だ。ポテンシャルの高さは相当。雨乞いの祈りが通じれば、大金星があるかもしれない。 (板津雄志)