【関屋記念】ウインガニオン活気あふれる12秒5
同型との兼ね合いがポイント
3連勝で中京記念を制したウインガニオンは、全8勝のうち6~8月に7勝をあげ、左回りも7勝している“SS”(サマー&サウスポー)だ。
栗東坂路で単走。中2週だけに余裕を持たせていたが、後半2Fはスピード感十分に12秒3-12秒5。夏馬らしい活気あふれる走りだ。「最後はしっかり上がったし、これでいい。汗をかく時季は代謝がいい。硬くなっていないし」と、西園調教師も合格点を与えた。
3走前に同舞台の谷川岳Sを逃げ切っており、勝つにはもちろん先手を取りたい。「ハナを切りたいが、同型との兼ね合いがポイント。前走のように離れた2番手ならいいが、前を追いかける形は良くない。左にモタれる面があるのでラチに頼れる左回りはいい。ここを使って休ませるつもりです」と、全力投球の逃げでサマーマイル王座を奪いにかかる。(夕刊フジ)
【関屋記念】ロードクエスト絶好の舞台で全開宣言
【関屋記念】ブラックムーン逆転へ手応え
【関屋記念】メートルダール“瞬殺”2馬身先着
気性が大人になってレースに幅が出てきた
上がり馬メートルダールの前走は降級戦ながら、ハンデ58キロで[8][4][1]番手と自ら勝ちに行ってのV。クビ差とはいえ価値ある1勝だった。
充実度の高さは美浦Wコースでの最終追いにも表れた。アサクサレーサーを2馬身追走して、4角で手応え十分に内へ。そこからが見せ場だ。“瞬殺”の2文字がピタリとはまる絶好の反応で、あっさり2馬身差の完封劇となった。
完成に近づくゼンノロブロイ産駒を、「気性が大人になってレースに幅が出てきた。あらゆる面で成長している。すべてが競馬での安定感につながっているね」と、斎藤助手もベタ褒めするほかない。前走でマイルもクリア済みとなれば、一気の重賞奪取があってもいい。(夕刊フジ)
怪物×名牝“17冠ベビー”12日デビュー
角居師も評価「落ち着いてて素直」
いよいよ、注目馬がベールを脱ぐ。12日、新潟5R(芝1800メートル)で初陣を迎えるタニノフランケル(牡、栗東・角居)は名牝ウオッカ4番目の子で、父は14戦無敗の怪物フランケル。父と母、合わせてG1・17勝という良血だ。
母も手掛けた角居師は「前進気勢があって、跳びの大きな走り。お母さんの部分を継いでいる」と印象を伝える。気性面も「今のところ落ち着きがあって、素直ですね」と及第点の評価だ。2週連続で追い切りに騎乗し、レースでもコンビを組むM・デムーロは「初戦から動けると思うし、ウオッカの子でまだ勝っていないので頑張りたい」と楽しみにする。
現時点での強みは「血統(笑)」とトレーナーは冗談交じりに話すが、すぐさま表情を引き締める。「外見の雰囲気は、きょうだいの中で一番ウオッカに似ている。何とか父にでも、母にでも近づければ」。8月12日が、伝説の幕開けになるかもしれない。
キタサンブラック秋は古馬王道3戦
G1を三つ行きます
宝塚記念9着後、休養しているキタサンブラック(牡5歳、栗東・清水久詞厩舎)の秋のローテーションが8日、管理する清水久詞調教師から発表された。かねてから候補に挙がっていた天皇賞・秋(10月29日・東京)から始動し、連覇が懸かるジャパンC(11月26日・東京)へ。そして、暮れの有馬記念(12月24日・中山)で締めくくる。
古馬王道ローテへの参戦に、トレーナーは「秋は、G1を三つ行きます」と力強く宣言。具体的な帰厩の時期については「未定です」と話すにとどめた。
秋盾にはマカヒキやソウルスターリングが、ジャパンCにはレイデオロがエントリーを予定。若い世代を打ち破り、改めて現役最強を誇示する構えだ。
コース別本当に儲かる血統大全
レイデオロの“夏休み” 筋肉モリモリ、秋2戦へ夢がモリモリ
背が伸びて、体も少し増えましたね
中央競馬は夏競馬真っ盛りだが、上半期のGI戦線を盛り上げた馬の多くは“夏休み”シーズン。ダービーで世代の頂点を極めたレイデオロ(美・藤沢和、牡3)も、福島・ノーザンファーム天栄で英気を養っている。休養でパワーアップを果たし、秋のさらなる飛躍を図るダービー馬の近況に迫った。
今年のダービー馬レイデオロは“夏休み”で確かな成長を遂げている。世代の頂点に立った4日後の6月1日に、福島・ノーザンファーム天栄へ移動。激闘の疲れを癒やすべく、軽めのメニューでケアを施された。
「順調に回復しています。楽をさせたことで、背が伸びて、体も少し増えましたね」と木實谷(きみや)雄太場長。1日時点の馬体重は493キロで、ダービー時の480キロから10キロ以上増えた。「いろんなところに筋肉がついて、数字以上にボリュームが出てきましたよ」と同場長は、充電によるビルドアップに目を細める。リフレッシュ期間を終え、現在は坂路で1ハロン14~15秒の調整までペースアップ。帰厩への下地を固めている。
秋は2戦のみ。ジャパンC(11月26日、東京、GI、芝2400メートル)を最大目標に、神戸新聞杯(9月24日、阪神、GII、芝2400メートル)で始動する。レース1カ月前あたりの帰厩を予定しており、今月下旬に送り出される見込みだ。
「セントライト記念も考えたけど、秋の中山は高速馬場になるし、広いコースの方がいいからね」と藤沢和調教師はローテーションの意図を説明。そして「ダービー馬にはダービー馬らしい競走生活を送らせてあげなければいけない。しっかりと結果を出せるように調教していきます」とさらなる飛躍に意気込む。
「馬の完成度としては7、8分くらいですかね。来年の今ごろには、完成するのでは」と木實谷場長。底知れない奥深さをスタッフは感じている。ダービー制覇も、まだ道の途中。進む先には古馬や世界の強豪を圧倒する未来が待っているのかもしれない。
ソウルスターリング、古馬王道ローテに挑戦へ
菜七子止まらん!盛岡でも勝利し地方通算11勝目
9日で20歳!藤田菜七子騎手インタビュー
「私の姿見てこの世界目指す後輩が出てきたらうれしい」
JRAに16年ぶりに誕生した女性新人騎手として、2年目の今年も注目を浴び続ける藤田菜七子騎手(19)=美浦・根本厩舎=があす9日、20歳のバースデーを迎える。昨年3月のデビューから1年半で、JRAでは13勝。大人の節目を前にしての思いを聞いた。(聞き手・川上 大志)
―あす9日が20歳の誕生日。今の心境は?
「20歳になったら、自分も少しは大人になるのかなって。思っていたんですが…。まだまだほど遠い感じがしています(笑い)」
―20歳になったら挑戦したいことは?
「料理は挑戦してみたいですね! やろう、やろうと思いながら、まだ鍋くらいしかできていないので。あとは、お酒もたしなんでみたいですね。もともと、炭酸飲料が飲めないのですが…。炭酸が入っていないお酒なら、飲めるのかな」
―JRAで16年ぶりの女性騎手として昨年3月にデビューして、もうすぐ1年半。ここまでを振り返って。
「久々の女性騎手ということで騒がれて、注目していただいたなかで、なかなか結果が出せなくて。自分の未熟さを感じているところです。騎手として、もっと技術だったり、結果だったりを見てもらえるように、頑張らないといけないですね」
―中央競馬だけでなく、地方、海外と多くの競馬場で騎乗経験を重ねてきた。
「競馬って、やっぱり実際に乗ってみないと分からないことが多いと思うんです。たくさん乗せてもらって、こんな馬もいるんだなあとか、知っていることが増えて、自分のなかの引き出しは少しずつ増えていると思います」
―印象的だったことは。
「イギリスなど海外で、騎手にも厩舎スタッフにも女性の方がすごく多かったことですね。こんな私ですが、日本でも、その姿を見て、この世界を目指す後輩が出てきてくれたらうれしいですよね」
―8月9日の夏生まれですね。
「毎年、夏休み中にあるんですよね。だから、学校で友達に祝ってもらえなかったんですよ…。クラスでお祝いしてもらっている友達がいると、うらやましいなあって(笑い)」
―では、誕生日の思い出は…。
「あんまりないんですが…。競馬学校時代に、教官が『今日は誕生日だから』って、フィジカルトレーニングを3分だけ短くしてくれました(笑い)」
―競馬学校のトレーニングは、かなり過酷なものですね。途中でやめてしまう生徒も少なくないと聞きます。
「教官からは『学校時代の3年なんて短い3年だぞ』と言われ続けてきました。その意味が、今になってようやく分かってきた気がします。競馬で勝って、ウィナーズサークルでお客さんから祝福されると、『ああ、騎手になって良かった。また頑張ろう』って思えます!」
―先週の新潟では、土日で2勝をマーク。10代ラストのJRAでの騎乗を勝利で飾った。20歳の抱負を。
「『自分らしく頑張る』ですね。もちろん、誰にも負けたくないですが、人と比べても意味はない。他の人ができないことを、ひとつでも見つけていけたら。女性らしく、しなやかに。馬の気持ちに寄り添えるジョッキーになれたらと思います」
◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年8月9日、茨城県生まれ。19歳。美浦・根本厩舎所属。JRAでのデビューを前に16年3月3日に地方・川崎競馬で初騎乗。同24日の浦和3R(アスキーコード)で初勝利。JRA初勝利は同年4月10日、福島9Rのサニーデイズ。16年は中央6勝のほか地方で8勝をマーク。昨年4月から芸能プロダクション「ホリプロ」に所属。2年目の今年はJRAで7勝を挙げている(6日現在)。家族は両親と弟。157.4センチ、45.6キロ。血液型A。
【関屋記念】前走不完全燃焼ウキヨノカゼ、ケガ回復で新潟初参戦
新潟のコース形態自体は合う
ウキヨノカゼは7歳夏を迎えたが、今春福島牝馬Sで重賞3勝目と元気いっぱい。前走・ヴィクトリアM(9着)は「直線で他馬と接触したのが響いた。トモ(後肢)を傷めていたので」(菊沢師)と不利が響いた。
その後は間隔を空けて立て直した。「今は治療して、脚元は大丈夫。極端に時計が速くなるとどうかだが、新潟のコース形態自体は合う」と初参戦の新潟で自慢の末脚に託した。
しゃくれ競馬 穴党の真髄ブログ
【関屋記念】昨年首差2着ダノンリバティ、リベンジVへ気合
新潟は芝&ダートを含め【2・3・0・0】
2年連続で中京記念5着だったダノンリバティも侮れない。昨年の当レースは首差2着に惜敗しており、リベンジVが懸かる。
コンビ継続の松若は「前走は付いていけなかったけどリズム自体は良かったし、僕が乗った中では一番いい雰囲気で走ってくれました」と振り返る。新潟は芝&ダートを含め【2・3・0・0】と好相性。「新潟は一番合っている競馬場だと思うし、昨年のような競馬ができれば」と意気込んでいた。
【関屋記念】新潟で持ち味生かす!末脚健在ブラックムーン
直線の長いコースは持ち味の瞬発力をフルに生かせる
ブラックムーンは中京記念で3着に敗れたが、上がり3F33秒9はメンバー最速。2走前の米子SでレコードVを決めた末脚は健在だった。
「中間は間隔が詰まっているので軽めの調整だが、馬は元気いっぱい。いい意味で出来は平行線ですね」と橋本助手。新潟のマイル戦は一昨年に2勝目を挙げた舞台。直線の長いコースは持ち味の瞬発力をフルに生かせる。「ある程度前が流れるか、だんごの競馬が理想。うまく展開が向いてくれれば」と重賞初Vへ力を込めた
(2017年成績 9戦5勝 回収率 244.9%)重賞で稼ぐ予想
【次回注目馬】シンボリブーケ不完全燃焼の4着
スムーズなら残り少ないチャンス生かせる
◆シンボリブーケ(8月6日、札幌4R・3歳未勝利・芝2000メートル=4着)
4コーナーの勝負どころで馬群に包まれ、視界が開けたのは残り100メートルから。蛯名騎手は「前が壁になってしまった。内で、前が開くまで我慢していたが、スムーズなら上位に来られたはず」と悔やんだ。
力を出し切れずの4着。3歳未勝利は残り少なくなってきたが、スムーズに運べば、初勝利を挙げられる。(石野 静香)